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南大門焼失

 ソウルの南大門(正式名称は崇礼門=韓国国宝1号)で10日夜、起きた火災で、木造瓦ぶきの楼閣の大半が11日未明までに焼失・崩壊して無残な姿に変わり果てた。火災による負傷者はなかった。

 南大門警察署は12日朝、ソウル近郊に住む男性容疑者(69)を11日夜に放火容疑で緊急逮捕したと発表した。持参したアルミ製ハシゴで楼閣に登り、ペットボトルに入ったシンナー1.5リットルをまいてライターで火をつけたと供述している。

 同容疑者は約10年前の宅地開発にからむ所有地処分で補償に不満を抱き、06年にソウルの旧王宮の一つ「昌慶宮」の建物に放火して執行猶予付きの有罪判決を受けた経緯がある。今回も同じ不満が背景にあるという。

 12日朝、帽子とマスクで顔を隠した姿で南大門警察署に連行された同容疑者は、報道陣に取り囲まれて「国民に申し訳ない。(自分の)家族にすまない」と語った。質問には答えなかった。

 南大門は朝鮮王朝時代の14世紀末の建設。改築や修復を経ているが戦火や火災は免れ、約610年の風雪に耐えてきた。国を代表する文化財を守れなかったことへの韓国民の衝撃は大きく、メディアは「大韓民国の自尊心が焼け落ちた」と嘆いている。

 かつて立ち入り禁止だったのを市民や観光客が接近できるよう近年になって公園化したが、夜間は無人化するなど警備が手薄で、火災感知システムや十分な消火設備もなかった。出火後も文化財庁と消防当局の対応が後手に回り、古い木造建築の複雑な構造への理解が乏しいまま不適切な消火活動を行って全損状態までの被害拡大を招いたとの批判が出ている。

毎日 JP

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